子育てに関するコラム

忘れられない「味噌汁の味」~いつか笑い飛ばせる日が来る~

出産後に感じる急激な老化現象。髪の毛が抜ける、白髪が増える、物忘れがひどい、おまけに傷が治りにくい。浦島太郎の玉手箱を開けたらこんな風なんだろうな・・・と思うほどに。

さらに、産後の寝不足、家事と育児のオーバーワークが追い打ちをかける。買い物に行けば、必ず何か買い忘れる。ごはんの支度ができたと思ったら、炊飯器のスイッチが入っていない。当たり前にできていたことが何ひとつまともにできなくなる。疲れがたまって、頭も回らない。今まで起こりえなかったうっかりミスが多発する。

1日の中でも、夕方から寝かしつけまでの時間がいちばん忙しい。休む暇もなく、ただただ目の前のことをこなしていくだけ。こまねずみのように動き続けて、頭も身体もスパーク寸前の状態だ。

ある日の夕方。晩御飯の支度をしていると、お絵かき中の長男のところへ、つかまり立ちの末っ子が攻めていく。お絵かき帳をちぎって食べ出す。色鉛筆をかじり出す。つかまり立ちの時期がいちばん大変だ。無邪気に妨害行為を続けたあげくに、頭から倒れて後頭部を強打し、大号泣。

『うるさい!かあちゃん、早く捕まえて!』と長男のイライラが炸裂する。

ちび怪獣を左手で捕獲しながら、右手だけで、夕食の準備をこなす。同じタイミングでトイレから呼び声が。『かあちゃん、もらした~!』と長女。そうだ、手のかかる人がもうひとりいたんだったと思い出す。どんなに懸命に動いても、やることがひとつも減っていかない。

そこでイライラが炸裂するか、余裕をもって現場に当たれるかは、その日の睡眠時間とご機嫌次第。トイレの掃除から戻ると、台所でかぼちゃが焦げている。『あ~あ』と長男に突っ込まれる。とどめの一言でイライラが爆発する。大人げなく怒鳴りつけ、3人のこどもを寝かしつけた後、ひとり落ち込むことになるいつものパターン。

『これ麦茶やろ』

そう、出汁パックと麦茶パックを間違えたのだ。全部ひとりで抱え込んでぎりぎりまで頑張ってきた。けれど、もう限界なのだなと思った。情けなくて、むなしくて、こんな毎日がいつまで続くんだろうと悲観的になるけれど、『麦茶にナスが入っとる~!』とふざけているこどもたちを見ていると、なんだか笑えてきた。疲労とイライラがひと回りして、笑うしかなくなってくる。

そんな毎日を繰り返しているうちに、子どもたちは日に日に大きくなっていく。自分の経験値も上がり、事件が同時多発しても心に余裕を持って対処できるようになる。なんでも片手間にこなして、都合の悪いことは適当に流せるようになる。たくさんの失敗と苦労を乗り越えながら、肝っ玉母さんが出来上がっていく。

けれど、あの頃は本当につらかった。逃げ出したかった。毎日毎日、明日には倒れてしまうと思っていた。よく頑張ったねってあの頃の私をほめてあげたい。

そう、子育ては毎日休みなく続く『修行』だ。
あの混沌とした日々をなんとか生き抜いたからこそ、今がある。そう信じて、その時に与えられた『修行』に向かっていくしかない。ひとつ終わるとまた次が待っている。子育てはそんな『修行』の連続でしかない。

けれど、ひとつだけ分かることがある。今できることに立ち向かっていけば、どんなに苦しいことも、きっと笑い飛ばせる日が来るということ。今でも思い出す人生に一度きりのあの味。一生、忘れることの出来ない麦茶味の味噌汁。

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